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城崎にて

 今からもう30年以上前になりましょうか、以前勤務していた神戸の会計事務所でのお話です。その会計事務所では年に1回1~2泊で旅行をするという習慣があり、確か勤めて2年目の8月下旬に城崎に参りました。  
​ 2泊目は宿での夕食を断って親しい先輩同僚5~6名で街に繰り出しました。昔ながらの街並みを楽しみつつ軽く飲んだ後、ラーメンでも食べようということになりました。夏の夕暮れ時、裏通りに入ると少々妖しげなお店の明りがちらほらとあります。ラーメン店をみつけると食通の先輩が「ええか、こういう地の人しか行かへん店がホンマに旨い店なんやで」と自信満々の体で暖簾をくぐります。(後から考えると別に先輩は地の人ではなかったのですが)
 店の中は天井が高く、黒光りしたカウンターとテーブル席があり、薄緑色の首を振らない古い扇風機が回っておりました。昭和30年代前半のホームドラマそのままのなんとも趣きのありげなお店です。皆でラーメンを注文し、待つことしばし60過ぎのおばちゃんがラーメンをテーブル席に持ってきたのですが、なんとラーメンの丼に親指が入っておりました。先輩が思わず「おばちゃん、指はいっとるど」と云うとおばちゃんはニッコリ笑って「大丈夫よ、熱くないから」。カッコ良かったですねー、結構気の荒い先輩だったのですが一言もなく目が点になっておりました。(もっとも大変ぬるいスープたったので、熱くなかったのも事実だと思います)
 最初は店のレトロな雰囲気と先輩の強烈な暗示もあり、一応うまいと感じたようです。(後で聞くと私だけだったようですが)しばらくすると麺がユルユルで箸でつまむとブツブツ切れる、具材が古そう(もやしのみ新鮮でした)、スープがぬるいと、「果たしてこれがうまいのだろうか」という深刻な疑問を持ちました。気が付くと出されたものは完食するというのがポリシーの同僚一人を除き、みな箸をおいています。旨いどころか途方のなくまずいラーメンだったようで、完食した同僚に後で話を聞くと「ほとんど罰ゲームやったな」とのこと。
 事務所に帰ってから、そういえば店に入った時から湯切りに麺をいれたまま釜でぐらぐら煮ていた、白い粉(味の素?)をやたら丼にぶち込んでいた、等々の話があり、くだんの食通の先輩は「あれでもやしが古かったら完璧やったな」という一言で一同大笑いしたものです。それから昼飯時、城崎のラーメンの話で何度も盛り上がりました。それとカップラーメンが如何に有難いものであるか、というのが身に沁みました。そう考えると「まずいラーメンにも社会的価値があるというべきか、はたまた枯木も山の賑わいというべきか」、そういう話をしていると先輩から一言「お前はアホか」。       N
2018年08月17日 12:15

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